動物病院で扱う耳ケア製品には、「イヤークレンジング」と「イヤークリーナー」という似た言葉が使われますが、役割には明確な違いがあります。
■イヤークレンジング
「耳の洗浄」が主目的。耳垢や汚れを物理的に除去するために使われます。特に感染時のプレケアや、外耳炎治療の一環で、治療前の耳内の汚れを除去する目的に行われることが多いです。洗浄力や拡散性を重視し、液体タイプが主流です。
■イヤークリーナー
「耳のコンディション維持」が主目的。汚れ除去だけでなく、皮膚バリアの保護や耳内のpHバランス調整など、耳を健常に保つことを狙っています。予防的使用が多く、低刺激・保湿成分を含む処方が多いです。日常ケアや慢性疾患管理に向きます。
イヤークレンジングは積極的除去、イヤークリーナーはバリアサポートとして、診療フローに応じた使い分けが重要であり、臨床現場では耳の状態や目的に応じて適切な剤型・成分を選択することが診療効率と治療効果向上に直結します。