エキゾチックアニマルの診察の基本

エキゾチックペットクリニック 院長
獣医師 霍野 晋吉

エキゾチックアニマルの診療は、哺乳類、鳥類、そして爬虫類・両生類と幅広い動物が診療対象動物に入ります。診療するためには、それぞれの解剖や生理を知ることはもちろんですが、診察の方法や器具は、犬や猫と同じものでは行えないことが多いです。実際の診察ではエキゾチックアニマル専用の器具は少なく、診療専用器具でない物も使用しているのが現状です。しかし、近頃はウサギ用、げっ歯類用、鳥用の様々なアイテムも販売されるようになり、エキゾチックアニマルの診察の需要が増えてきているからこそでしょう。ここでは、エキゾチックアニマルの診察で揃えておいた方がよい逸品を紹介します。

初心者編〜まず最初に揃えるもの

最初にウサギのことを教科書で勉強してください。そして、ウサギの飼い主さんに、状態や病態を説明するインフォームドコンセントシートを使用しましょう。質の高い動物病院専用のラビットフードもお勧めして下さい。定期健康診断をするうえでも、食欲や排泄以外にも体重測定は必須となります。

教科書

基礎的な内容で、生態、特徴、解剖や生理、飼育ことならまずはこの本で十分です。

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飼育指導

飼い主さんにウサギのこと、説明できますか?
図を書くよりも、綺麗な写真で説明すると伝わりやすいです。

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病院食

ウサギにも動物病院専用フードがあります。ですが、乾牧草を主食にしましょう。

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体重計

小型のウサギが流行ってます。
ベビースケールで測れば、微妙な体重変化を見逃しません。

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初心者編〜+αで揃えるもの

ウサギの健康手帳を診察のたびに、持ってきてもらって下さい。病院で測定した体重や診療記録を記載してあげましょう。カルテ付箋紙を貼ってあげると、とても分かりやすいです。

健康手帳

体のしくみや飼育が書かれていて、体重管理表や来院記録欄までついています。

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カルテ付箋紙

カルテ付箋紙のウサギシリーズ。カルテに、イラスト(絵)をぺたんと貼るだけ。

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ウサギのことをもっと知りたい、勉強したいという人がいれば、VMN(Veterinary Medical Network)、個々の症例で困ったらEPC(Exotic Pet Clinic)症例支援、しっかり勉強したい人はEIC(Exotic Information Center)プライベートセミナーがありますよ。

ウサギの医療情報

ウサギのプライベートセミナー(EIC)の風景

診療相談(VMN) https://www.vmn.ne.jp
もっといろいろ知りたい時はココ。エキゾチック科に相談ができます。

エキゾチック症例支援(EPC) http://epc-vet.com
症例の診断、治療、経過を徹底的に相談したい時はココ。
( 獣医学情報 > 獣医師対象 > 症例支援 にアクセス)

ウサギのプライベートセミナー(EIC) http://exo.co.jp
月1回・講師1名の定員5名限定のプライベートセミナー。
年間通して基礎から学べます。

【2】ウサギの治療法

不正咬合

常に歯が伸びるウサギは、歯冠が不正に伸長してスパイクをつくり、根尖も伸長して感染が起こると膿瘍ができます。
X線検査の説明はインフォームドコンセントシートで、カルテへはゑぺたんで所見を記録しましょう。
口の中の観察にはオールマイティーで、スパイクを簡易にカットするには小型臼歯カッターがあります。

飼育指導

飼い主さんに不正咬合の説明に便利。正常と異常の解剖・X線写真が沢山並べてあります。

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カルテ付箋紙

X線イラスト描写、肉眼所見が簡単にカルテに書けます。

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口腔内観察機器

ピンセット付きの拡大鏡。臼歯の不正咬合も、とても見やすくなります。

●使い方
ウサギの口の中にそっと挿入し、ピンセットを開いて、臼歯のスパイクの有無を確認できます。拡大鏡は2倍なのが便利で、ライトをつけて明るくして観察して下さい。

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臼歯カッター

マイクロエンジン以外にそろえておきましょう。
歯のスパイクがとてもよく切れます。1病院に1本あるととても便利です。

従来の臼歯カッターの中でも、細くて小さい商品です。
大きいカッターでは口の中に入れても見えません。

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胃のうっ滞/毛球症

ウサギはストレスにより胃腸の動きが低下したり、自らなめとった被毛が胃内で毛球になることがあります。ウサギは猫のように毛球を吐きだすことができないため、この毛球が致命症になることが多いです。
胃のうっ滞や毛球症は、多くがX線検査で診断されるため、インフォームドコンセントシートで説明しましょう。X線診断も特徴的な画像が得られるため、カルテへの記載は付箋紙で行うと便利です(胃のうっ滞/毛球症診断チェック表もありますので・・・)。
予防の一つに、油脂を経口投与することで胃の内容物の排泄を促進させる方法があります。

飼育指導

飼い主さんに胃のうっ滞や毛球症の説明に便利。
X線写真と手術写真が沢山並べてあります。

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カルテ付箋紙

X線イラスト描写が簡単にカルテに書けます。
そして、胃のうっ滞/毛球症診断チェック表に書き込んで診断しましょう。

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毛球予防ペレット

大豆油が含まれ、胃内の毛の排泄を促進します。
換毛期に普段食べているエサに混ぜて与えましょう。

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鉱質油

体に吸収しない鉱質油は、胃内の毛の排出を促進します。

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卵巣・子宮疾患

ウサギは卵巣・子宮疾患が多発する動物です。病態も内膜症から腫瘍まで様々ですが、エコー検査でどのように見えるのか、インフォームドコンセントシートを使って飼い主さんに説明すると分かりやすいです。ウサギの卵巣や子宮の解剖、繁殖知識、そして手術の動画が見えるCD-ROMは必需品で、新人の先生への教育用教材にして下さい。ウサギの開腹手術には、避妊手術セットを加えて行うと便利です。そしてウサギ用といっても過言ではない、小さくて温度調節ができる保温マットも、ぜひ用意しておいて下さい。

飼育指導

卵巣・子宮疾患のX線やエコー写真の説明に便利。
手術の写真も沢山あり、術前の説明もこれで行えます。

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卵巣・子宮疾患CD-ROM

卵巣・子宮疾患の画像や手術の動画が見られます。
手術の前に観て勉強しましょう。

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鋼製器具

お手持ちの手術セットに、この3本を加えて下さい。

ベビーアリス2本
ミニサイズの小さくて、使いやすいアリス鉗子。

血管鉗子:
脂肪が多い卵巣子宮広間膜の結禁にあると便利。

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保温マット

小さい保温マット。優れものです。

ここが優れています!

まさしくウサギサイズの保温マットです。デジタル表示で、正確な温度設定が可能です。

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【3】小型げっ歯類の診察

初心者編〜診察のための逸品。こんなものがあると便利!

小型げっ歯類は小さく、逃げたら捕まらないものもおり、結構大変です。
まずは、動物を触って、体重を測定することから始めましょう。
外観から分かる異常を洗い出すことから始めます。脱毛、外傷、腫瘍など、カルテ付箋紙で記載してみて下さい。

体重計

料理用秤で充分です。
プラスチックケースも一緒に用意しましょう。

保定袋

シマリスは逃げたら捕まりませんので、洗濯ネットに入れて診察することもあります。

カルテ付箋紙

カルテに、イラスト(絵)をぺたんと貼って書き込めます。

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飼育指導編

ハムスターの飼い方を5分で、説明するためには、インフォームドコンセントシートのハムスターの飼育編しかないでしょう。
良質のペレットを推奨し、肥満や下痢しているハムスターに対応するペレットを処方してあげましょう。

飼育指導

飼い主さんにケージや餌の指導できますか?綺麗な写真で説明してあげましょう。

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ペレット

栄養の偏りがないように、主食はペレットにしましょう。サプリメントも配合されているので、一石二鳥です。

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減量用・下痢用ペレット

繊維質が多く、脂肪が少なくなっている特別なペレットです。

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【4】小型げっ歯類の手術

手術編〜手術のための逸品

小さいげっ歯類の手術には、小さくて正確な手術器具やアイテム、そして拡大鏡が必要な場合が多いです。しかし、大きな投資は不要で、下記のような簡易の商品でも十分に代用できますよ。

小型げっ歯類・鳥用手術セット

お手持ちの手術セットに加えて下さい。

アルム開創器
こんな使い方もOK!

リングピンセット
弱い組織、小さい組織、微妙な力加減が必要です。

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ドレープ

透明のシールを使います。
(インフォームドコンセントシート:品種・解剖・飼育)

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拡大鏡

いわゆる老眼鏡です。眼鏡の上からもつけられ、手術の時には大変便利です。

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ヒーター

これは爬虫類飼育用のフィルムヒーターです。温度調節・大きさも、小型げっ歯類にピッタリです。

【5】小鳥の診察

初心者編〜小鳥の診察に、まずは用意しておきましょう!

鳥の診察の基本は、鳥に負担をかけないように保定し、なおかつ咬まれないように、適確に診察をすることです。鳥から咬まれないようにする固定器、専用の開口器も揃えておきましょう。
経口ゾンデを使用して、そのう液検査をしたり、流動食を与えるような処置も基本的検査や処置です。

バートカプセル

鳥に咬まれるのって、意外と痛いですよね。こんな時に、カパッと被せると便利です。

開口器

嘴に咥えさせて、そっと口を開きます。
大型の鳥用もあります。

経口ゾンデ

そのう液検査の必需品。
鳥の大きさに合わせて、用意しておきましょう。

流動食

鳥用の流動食は必需品です。食欲のない鳥には経口ゾンデで与えましょう。

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飼育指導編

鳥は飼い方ひとつで、病気になります。温度管理や餌の種類など、飼い主さんに飼育指導することも、重要な診察です。教科書で基礎的な飼育を勉強し、インフォームドコンセントシートで飼育や餌を説明できるようにしましょう。鳥専用のペレットやサプリメントもあります。

教科書

基礎的な内容で、生態、解剖、飼育ことなら、まずはこの本で十分です。

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飼育指導

鳥の解剖知ってますか?
飼い主さんにケージや餌の指導できますか?
綺麗な写真で説明してあげましょう。

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ペレット

栄養の偏りのないペレットを主食にしましょう。日常はトータルペレット、成長期や換羽時はバイタルペレットに変えましょう。

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サプリメント

サプリメントを使いましょう。

サプリメントの必要性

種子中心の餌であると、栄養が偏ります。また、ペレットに切り替えるのも難しいです。そんな時は、サプリメントを餌や飲み水に加えてあげましょう。

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