学術情報

創傷治療の基本 〜モイストウンドヒーリング〜

  • 動物病院 エル・ファーロ 院長山本剛和

実際の使用例

■症例1:日本猫 1歳齢 去勢済 雄

1初診時の様子。会陰、肛門周囲と尾の腹側の皮膚の壊死および感染。
1麻酔下で外科的デブリードマンを施した後、ハイドロジェル材を塗布し、生理食塩水で軽く湿らせたガーゼで覆い、食品用ラップで被覆した。ドレッシング材は1日2〜3回交換した。交換の際には消毒はせず、水道水で洗浄した。
1壊死組織は無くなり、上皮化が進行している。ハイドロジェルとラップを継続した。
1完全に上皮化した。

■症例2:雑種猫 年齢不明 雌

1交通事故により前肢手根部の皮膚欠損が見られ、不良肉芽化していたため局所麻酔で除去してから、ポリウレタンフォームドレッシングで被覆した。写真は健康な肉芽組織が増殖してきた頃の様子を示す。
1消毒は使用せず水道水で洗浄し、ポリウレタンフォームによる被覆を1週間に2回の交換で継続した。
1順調に上皮化が進行。
1完全に上皮化した。

ドレッシング材の特徴と適応

ドレッシング材の特徴と適応
分類 特徴 商品
ハイドロジェル 滲出液の少ない乾燥気味の創に適用して壊死組織の融解を促す。フィルムドレッシングやポリウレタンフォームなどの2次ドレッシングを併用する。 イントラサイトジェルグラニュゲル
コンポジット材料系 3層構造の複合材料で構成される。創傷面に固着しにくい。吸収性に優れ、滲出液量の多少に関係なく使用できる。 プラスモイスト
ポリウレタンフォーム 吸水性に優れ、滲出液が多〜中等量程度の創傷の被覆に適している。クッション性もあり、湿潤環境により治癒を促進する。 ハイドロサイト プラスハイドロサイトAD プラス
ハイドロコロイド 中〜少量の滲出液のある、あまり深すぎない欠損創に適している。滲出液を吸収してゲル化することで湿潤環境を提供する。滲出液の多い創傷には適さない。 デュオアクティブテガダームハイドロコロイドドレッシングカラヤヘッシブ
アルギン酸塩 滲出液を吸収してゲル状になる。止血作用があり、出血を伴う新鮮外傷に使用される。フィルムドレッシングなどの2次ドレッシングを併用する。ソーブサン
フィルムドレッシング 1次縫合創を直接被覆する。またアルギン酸塩やハイドロジェルなどの1次ドレッシングを被覆する2次ドレッシングとして使用する。オプサイト ウンド トランスペアレント ドレッシングテガダーム トランスペアレント ドレッシング


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